大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 飛騨の地名・番外編
幻の地名、全村離村
私:抽象的な事を書いても仕方ない。今回、紹介させていただくのは〒509-4314岐阜県飛騨市河合町月ケ瀬(ぎふけんひだしかわいちょうつきがせ)。
君:あらあら、月ケ瀬という村があって郵便番号もあるのに全村離村してしまったお話ね。どうして月ケ瀬という部落を知る事になったのかしら。
私:時々はフラッと飛騨をドライブするが、昔はオートバイで一人、トボトボと走っていた。何年か前だが、家内を乗せてマイカーでこの村を通った事がある。
君:全村離村に興味があって廃屋ツアーを企んだのね。
私:とんでもない。諸事情、多くは経済が成り立たなくなって全村離村とか、ダムの湖底に沈むとか、悲しい歴史があっての事でしょう、そういう積りで月ケ瀬を訪れたわけじゃないんだ。
君:別の目的があったのね。
私:うん。家内に河合村(現・高山市河合町)を見せたいと思ったから。家内の知人に河合村出身のお方がいて、彼女が河合に興味を示した。私ども夫婦は濃尾平野に住むが、東海北陸道清見インターで降りて小鳥(おどり)川を下れば河合村に到着する。小鳥ダムを過ぎてしばらく、月ケ瀬に着いた。神社が見えたので一休みとしゃれこんだ、それだけの事。
君:なにか、心に響く光景だったのね。
私:きちんと管理された神社だったが、周りの家が無人の気配。ところが、たまたま人に出会った。その家のお方だった。
君:ほほほ、つまりはそのお方とお話ができたのね。
私:その通り。その方がおっしゃるに、遂に全村離村、多くは高山市に引っ越している、神社だけは村人のノスタルジアの象徴だから、時々は訪れて管理し続けているのだと。
君:なるほど、それで寄稿する気持ちになったのね。
私:村名は元々は槻ケ瀬だった。月ケ瀬伝説というのがあるらしい。ある醜女(しこめ)が川瀬に映る月の影を飲んで懐妊、子は成長して名大工になったという。飛騨工(ひだのたくみ)伝説。明治あたりまでは立派な村だったのだろう、時代に取り残され全村離村が昭和らしい。
君:そんな村の出身者のおかたと神社で立ち話が出来ただなんて、奇跡ね。
ほほほ