大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 地名考
大西(村)
私:今日は私が生まれ育った村・大西(おおにし)について語らせていただきましょう。
君:岐阜県高山市久々野町大字大西ね。
私:そう。戸数30余りの小さな村だ。
君:場所は。
私:とてもいい質問です。日本の屋根です。
君:ほほほ、つまりは表日本と裏日本を分ける大分水嶺ね。
私:その通り。裏山が分水嶺で、私はかろうじて表日本側の人間です。
君:高山は宮川水系で、富山県では神通川となるから高山市は裏日本なのよね。
私:その通り。大西村の裏山のその向こうに高山市があり、大西村は高山市の通勤圏・通学圏・婚姻圏といってもよい。
君:大西村の名前の由来についてお書きになりたいのよね。
私:その通り。結論だが大いなる西の果てだから「大西村」だ。
君:でも高山市は地勢的には飛騨のほぼ中心で、その南隣の村なのだから、飛騨のど真ん中の村じゃないの。西ではないと思うけれど。
私:それもとても良い質問だ。ところで「大西」の名前は誰がつけたと思う。
君:そりゃあ、大昔の村人の方々でしょう。
私:そう、その通り。だから大西村に生まれ育った僕は何故、村が「大西」と呼ばれるようになったのか容易に理解できる。
君:何か地形的な事よね。
私:そりゃそうさ。村の名前に東西南北が使われていれば地形から来た名前であろう事は小学生でもわかる。
君:私でも判るかも知れないわ。グーグル・アース。・・ほほほ、わかったわ。
私:簡単な事だね。昔の人は素朴に物事を考えた。
君:つまりは答えは益田川の流れね。
私:その通り。益田川は大乗鞍岳と御岳山を水源とし、ひたすら西に、つまりは高山に向かって流れる。特に大西村の辺りでは完全なストレートラインだが、大西村で突然に90度、方向を変えて南下するんだ。
君:どんどん南下し、下呂を通過し、そして飛騨川と呼ばれ、濃尾平野で木曽川と合流。
私:つまりは益田川(飛騨川)は木曽川の最大の支流で表日本の河川という訳だ。
君:でも益田川(飛騨川)で一番に西の部分と言えば濃尾平野で木曽川と合流する地点だわよ。
私:そんな濃飛平野の事は村の地名と関係が無い。乗鞍との位置関係を見てくれ。
君:ほほほ、なるほど。飛騨広しと言えども益田川水系で里から乗鞍の山頂が眺められる地域で一番の西の端が大西村だわ。
私:ははは、その通り。大西村の上流では灯台下暗しにて乗鞍が見えない。また、大西村の下流は川上は北の方向になってしまい近くの山に遮られて乗鞍は見えない。
君:乗鞍の山が里から眺められるという事が村の人々にとっては精神的な財産なのよね。
私:その通り。飛騨地方は山々ばかりで乗鞍、御岳、白山を里から眺められる地域というのは意外と少ないんだ。
君:下呂は御岳が裏山と言ってもよいオラが山だけど、残念ながら里からは全く見えないわ。
私:飛騨の地域で里から乗鞍が眺められる所と言えば、高山盆地や古川盆地もそうだね。だから乗鞍の眺めは大西村の専売特許ではないけどね。
君:結論としては「大西村」は益田川水系の中では乗鞍の山頂が里から眺められる西の果て。
私:その通り。だから「大西村」。
君:では、おしまい。ほほほ