大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム
foxp2 protein structure(2)
私:foxp2 遺伝子の続きを。前回までのお話では一般の国民の皆様には極めて判りにくいお話になっていないかと危惧している。
君:それに、飛騨方言とは何ら関係ないわよ。
私:確かにそうだね。木を見て森を見ず、という例えもある。
君:一本一本の木を丹念に見ても、それは森という木の集合体を理解した事にはならない、という意味ね。
私:そうなんだが、とにもかくにもこの遺伝子は言語というものに深く関わっているので、しばらくお付き合い願いたい。つまりはチンパンジーはじめ、動物は全て foxp2 遺伝子を持つがチンパンジーとヒトの foxp2 蛋白は実は二個のアミノ酸の違い、たったこれだけなんだ。
君:かなり大きなたんぱく質のようだけれど、構造の差はわずかなのね。
私:その通り。前日のお話で思わず興奮して url を紹介したが、今日は実は自分携帯やら、職場の複数のPCで見た所、その立体構造が表現されていないという事で愕然とした。携帯でもなんでもみられるといえば、例えばユーチューブ。
君:中国人の早口英語で判りにくいわよ。一言で説明してね。
私:ほいきた。foxp2 遺伝子とは一言で言うと、遺伝子(DNA)そのものを操るたんぱく質だ。その中でも遺伝子発現を抑制するタンパク質( repressor protein )というものなんだよ。つまりは特定部位の DNA を羽交い絞めにして遺伝子発現させないようにするタンパク質。
君:遺伝子発現の抑制の意味が判らないわ。
私:うん。抑制しない部分以外は発現、つまりは遺伝子自身が花開くので、つまりは逆にヒトの foxp2 遺伝子は実は幾つもの他の遺伝子を発現させる機能がある。言い換えれば foxp2 遺伝子の差によってチンパンジーが発現する遺伝子のレパートリーはヒトのそれとは違ったものになる。だからヒトは言語を操るが、チンパンジーはしゃべれない。
君:まだわかりにくいわ。
私:思いっきり簡単な説明で行こう。ベルリンフィルの指揮者の皆様はどなたもトップの音楽家だが、指揮者が変われば楽団の音楽も変わる。言語を音楽に例えるならば、foxp2 遺伝子は交響楽団の指揮者。
君:判りやすい説明には違いないけれど、致命的な点があるわよ。
私:えっ、どういう事。
君:ベルリンフィルの場合は沢山の楽団員がいるところへ新しい指揮者があらわれる。言語の場合は、たったひとり指揮者が沢山の演奏家を集めて自らの楽団を作って言語を奏でる。
ほほほ