大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 脳科学

構音障害とは

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私:構音障害 dysarthria とは医学用語・福祉用語と言うような感じで、あまり一般語とは言えないね。
君:簡単に一言で説明してね。方言学とも関係あるのかしら。
私:現象としては、モゴモゴを話す言葉に明瞭さが無いという事。本人は意識は正常で、聞く言葉は正常に理解できるし、話したい言葉がどういう言葉なのかもわかるが、いざ話そうとするとどうもうまく舌や唇が動かない、と言うような症状。
君:なるほど。他人のお話を聞く事は可能なので、そのような症状の人が意思表示をしやすくさせるには質問に工夫が必要という事ね。「はい」「いいえ」を首の振り方で答えていただくのが一番ね。
私:その通り。要は話しにくいだけだから。ジェスチャーで答えさせるというのが正解。
君:どうしてそんな事が起きるのかしら。
私:一番にわかりやすいのが大脳の外層(大脳皮質)、つまり運動野という場所の脳梗塞。途端に話しづらくなる。運動野というのは唇や舌を動かす神経の集まっている場所だからね。
君:運動野ってどこにあるのかしら。
私:絵がいいね。homunculus で検索するといい。簡単に言うと、舌唇のお化け。ラテン語で小人の意味でヨーロッパの錬金術師による人造人間伝説。
https://www.facebook.com/anthony.goldsmith/posts/cortical-homunculus-a-representation-of-how-the-motor-and-sensory-information-of/9687601637917256/

君:何か哲学的な意味があるのかしら。
私:大ありです。末梢の筋肉と脳の運動野の神経細胞は一対一で繋がっているが、人間の筋肉で最も数が豊富な神経で操られているのが、舌と唇と指先。ホモサピエンスと言われる所以。何故、我々はサピエンスなのか。それは言語を操り、道具を使う動物だからだ。サピエンスはそれに見合った脳みそを持っている、という哲学的な意味がある。ついでだから脱線するが、西洋人の男女が握手と接吻を大切にするのは明らかに理にかなっている。
君:確かに。ところで構音障害という病気は脳の運動神経の障害だけで起きるのかしらね。
私:素晴らしい。核心を突いた質問だ。構音障害は、要は筋肉の動きを阻害する各種の原因、つまり脳細胞から筋肉に至るまでのどこの部分の障害であっても生ずる。具体的には小脳、大脳基底核、脳幹、神経筋接合部、これらの障害でも起こりうるが特殊な例と言ってもいい。運動野の脳梗塞は確率的にも多い病気だし、CTで誰もが理解しやすい、一番に理解しやすい病態というわけです。方言学とも関係あり。飛騨方言話者が津軽方言を話せないのは構音障害です。この場合は小脳(の学習不足)が大いに関係しているね。
君:少ししゃべりくい、というのは構音障害の一言で片づけられる問題ではない、という意味ね。疑うべきは脳。まずは医師に相談。 ほほほ

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