大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム
赤ちゃんの脳細胞の数
私:方言学から始まって脳科学へ、更には脳の発達、つまりは教育学へ、と当サイトの進む方向は定まりが無いが、軽い読み物かつエンタメ系、という事を目指している。
君:表題からすると、赤ちゃんは如何にして飛騨方言を学んでいくのか、というようなお話なのよね。
私:まあ、そう言えなくもない。脳の発達、特に大脳の発達、特に左大脳半球(優位大脳半球)の発達、前頭葉の発達、言語野の発達、などと言う事を想像する読者のお方が多いのでは、と想像する。これは脳の大きくなるという事とも密接に関係するでしょう。ところで脳が成長発育と共に大きくなるって、どういう意味かな。
君:脳細胞の数が増える、という事かしら。大脳のシワが増える事とも関係しているわよね。
私:それがそもそも間違い。人間の脳細胞の数は生下時から死ぬまで、数は一切かわらない。それどころか、加齢・老化により脳細胞は減りこそすれ、増える事は絶対にない。つまり赤ちゃんの時の脳細胞数がその人の最大値。
君:なるほど。脳細胞は非再生組織とかいうけれど、生まれた時には既に数が決まっているのね。
私:その通り。成長と共に増加するのはひとつひとつの脳細胞、特に大脳皮質の錐体細胞、の肥大化及びそれらを結ぶ細胞の枝(ネットワーク)の増大化による。
君:生まれた後は脳細胞が減り続ける、というのは悲しい事ね。
私:いや、そんな心配はない。生理現象そのものなのだからです。programmed cell death というもの。これはつまり、お役目御免となる部分が名誉の撤退、という事なので年齢を重ねるたびに寧ろ知性は強化されていく。錐体細胞の絶対数は若干、減少するが、ひとつひとつは巨大化し、言語機能に関する限り知性が磨きがかかるのが実は老人になってからなんだ。MIT Technology Reviewによれば語彙力のピークは60代後半から70代前半、僕は現在72歳なので、このサイトは正に the right work at the right age 。つまりは飛騨方言の研究は若い僕には不向き。
君:なるほどね。
私:ついでながら筋肉も非再生組織という事を知っているかい。
君:まさか赤ちゃんとお相撲さんでは筋肉の数が同じという事かしら。
私:その通り。syncytium つまり細胞内に核を複数持つので核の数は増えるが、細胞数は増えない。心臓の筋肉も同じ。赤ちゃんがオリンピック選手になっても細胞数は同じだ。
君:不思議ね。
私:大脳と小脳についても、これまた不思議な世界と言える。大脳皮質の大きさは脳全体の約8割だが脳細胞数は脳細胞全単位の約2割しかなく、小脳の大きさは脳全体の約1割だが、脳細胞の約8割が小脳に集結している。
君:ヒトは小脳優位の赤ちゃん時代から、大脳優位の大人に成長するし、言語能力は70歳がピークなのね。
私:そう。そしてもうひとつ。
君:筋肉の成長は日ごろの努力の賜物という事ね。使わないと直ぐに衰える。
ほほほ