大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 古代の飛騨方言
アルタイ諸語とは
私:表題は雑学中の雑学という事だが、知っていてそんな事ではない。
君:エッセンスだけを話してね。
私:あっちこっちの言語学の走り読みなのでご容赦を。印欧語族という言葉があるが、最も研究された語族かな。インドの言葉とヨーロッパの言葉は古代にはひとつだったが、二手に分かれた。
君:インド亜大陸と欧州ではかけ離れているし、中東が割って入っているのに。
私:1786年、イギリスの言語学者ウィリアム・ジョーンズ Sir William Jones (1746–1794) がサンスクリット・ギリシャ語・ラテン語・英語の共通音韻則に気づき印欧語族という共通祖先がある事に気づいた。比較言語学の始まりかな。それでは、という事で世界各地の言語のご先祖様探しが始まった。ユーラシア大陸の北方をひとまとめにしてウラル・アルタイ語族と呼ぶ風潮が広まった。ところがロシア全土より広い地方が古代において流石にひとつの言語圏であるはずもなく、この考えは誤りとされ、ウラル語・アルタイ語と二分されるようになった。
君:アルタイ語はアルタイ山脈の言語かしら。
私:いいや、同山脈を含み、北方ユーラシアの相当部分を含む、とてつもない広い地方の言葉を指す。
君:太古に人類が世界各地に散らばったパターンと同じ言語地図ね。
私:当たらすといえども遠からず。戦前辺りから戦後まで、日本語の起源としてはアルタイ語説が一世を風靡し、熱心な旗振り役がおられた。
君:服部四郎さんね。
私:その通り。彼の地道な現地の調査には皆が脱帽した。しかも彼の肩書は東大教授。私もすっかり見入ってしまった。ここ
君:なるほど、誰もが信じたくなるわね。
私:ところが栄枯盛衰は世の習い、最近はブームが覚めて、アルタイ語説は嘘っぽいという評価になっているようだ。
君:なにがいけないのかしら。
私:アルタイ語説を一言で、これは北方説。つまりは日本語はカムチャツカ半島・樺太から北海道経由で本州に伝わったのでは、と暗示しているにも等しいのだからね。
君:朝鮮半島から倭人が稲作文化をもたらし、弥生人になったのじゃなかったのかしら。稲作は東南アジアの文化なのだし。稲作文化は北上したのよ。
私:その通り。倭人がもたらしたのが日琉祖語。朝鮮半島から九州北部に伝わった。ここから近畿にも伝番したし、南下して沖縄にも伝わった。
君:なるほど、北方説の出る幕って無さそうね。
私:冷静に考えればそうなる。
君:どうして服部四郎先生は熱くなってしまわれたのかしら。
私:思い込んだら命がけ。日本語は大陸の北のどこらから来た言語である、と確信しておられたようだ。
君:古代日本には独自の文字文化が無かっただけに、日本語のルーツの探索は難題中の難題よね。
ほほほ