大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 方言学
対格属格交替(3)
私:対格属格交替については、これが最後の方言千一夜物語にしたいが、せっかくだから一言だけ。前回までのお話で、実は格の変化ではなく、直接修飾・間接修飾の現象であると主張した。
君:それは一言追加発言ではなく、前のお話での結論よ。
私:そうだね。今日の追加一言とは、自動詞・他動詞の問題だ。
君:対格だから当然ながら動詞としては他動詞よね。
私:その通り。他動詞の場合の話だ。ついでだから自動詞の場合も考えてみよう。「ゴミの捨てる場所」、これの自動詞表現は。
君:「ゴミが捨てられる場所」「ゴミの捨てられる場所」は共に合格だけれど、他動詞の受身表現ね。
私:「捨てる」に対峙する自動詞は無い。強いて言えば「なくなる」。
君:「ゴミが無くなる場所」「ゴミの無くなる場所」と言えばいいのよね。
私:なにか気づかないかい。
君:あら、なるほど。主格と属格が交替しているという事かしら。
私:「ゴミの(無くなる)場所」という事で間接修飾ではあろうけれど、古語辞典をちょいと引けばわかる事だが、格助詞「の」は古来、主語や対象語を示すために用いられた。古くは連体修飾句をはじめとする従属句や体言性の陳述句の主語を示すのに用いられた。結論だが、自動詞における主格属格交替が日本語文法の本質なのであって、日本語の他動詞における対格属格交替って(実は)たわごと(かもね)。
君:あがきみ/の/いはむ/と/す/こそ/いと/めづらかなれ。
ほほほ