大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム アクセント
へこむ(凹む)2
私:昨日は僕が「へこむ」について間違ったアクセントで話してきた事に気づいたお話をした。今日は、その原因について気づいた事があるので、書き加えたい。
君:ちょいと間違えて話し続けていただけの話じゃないの。読者の皆様はうんざりよ。
私:うん、これは僕自身の問題であるのかも。でも、それなりに理由があったのだろうから、と考えていた。気づきとは語根、あるいは語幹をどのようにとらえるのか、という問題。
君:いいから、結論を簡単に一言で話してね。
私:はいはい。「煮込む」、これは「ニコ\ム」で中高が正しい。NHK辞典でも確認した。ところが「ヘコム ̄」で平板が正しい。この差はどこにあると思う。微妙な差では済まされない。
君:「煮込む」は複合動詞で、「凹む」は単独動詞という事ね。
私:正解だ。「煮込む」は「煮る」+「込む」という事。「へこむ」はオノマトペ「へこ」が動詞化したものだ。
君:オノマトペならば重畳語で「へこへこ」にもなるわね。
私:その通り。擬態語「へこへこ」が生まれたのが江戸時代、今歳咄(ことしばなし、1773)など、文献は多数、小噺本など。元々は老人が腰を曲げる様子を表した。現代語では「ペコペコ」で実力者に対してお辞儀をして媚び諂う意味だが、江戸時代の「へこへこ」が語源。そして江戸時代には既に動詞の自他「へこむ・へこます」が生まれた。くぼんでいる・損をする・ひるむ、等々の多義語になっている。僕の場合は「煮込む」に釣られて「へこむ」を中高アクセントで話していたに違いない。
君:「へ・こむ」ではなく「へこ・む」なのよね。成語的には複合動詞ではなくて、「オノマトペの語幹化」+助動詞「む」、といったところかしらね。
ほほほ