大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 雑感

かゆ「粥」

戻る

私:つい先だっては正月も終わり、七草がゆ。NHKが全国の粥文化を紹介していた。
君:かゆ「粥」のアクセントは平板ね。「おかゆ」もそうだわ。その報道で、奇異なアクセント、つまりは頭高で「かゆ」というのを耳にしたのね。
私:いい感してるね。朝の通勤途中のラジオ放送だった。ドキッとした僕は安全運転どころではなくなった。なんとか無事に職場には到着したが。
君:どこの地方のアクセントなの。
私:それがよりによって取材しているNHKアナウンサーのアクセントだったんだよ。彼の出身地が気になって仕方なかった。
君:つまりは全国の「かゆ」のアクセントを調べたのね。というか、そもそもがそんな事が出来るのかしら。
私:ああ、出来る。平山輝男先生が17年かけて編纂為さった明治書院・現代日本語方言大辞典全八巻だ。全国のアクセントが記載されている。
君:結論をお願いね。
私:全国的に大半の地方が平板。極、一部の地域が高高アクセント。当然ながら福島県と宮崎県はN型アクセント(崩壊アクセント)につき、アクセントそのものが存在しない。蛇足ながら先生は宮崎県都城のご出身。但し中学から東京、アクセントの矯正が間に合ったという訳だね。先生がアクセントにご興味を抱かれた気持ちはよくわかる。さて「かゆ」のアクセントに東西対立は無い。東京も京都大阪も平板。
君:NHKアナウンサーの単純ミスという事ね。お伝えできたらいいのにね。
私:こうやってアクセント学の話題を提供してくださった事には感謝している。NHK君よ、今後もドンドン間違って発音してください。
君:嫌われるわよ、そういった言い方。
私:誰に。
君:私に。
私:おう、失礼しました。発言を撤回します。彼がつい「かゆ」を頭高で発音したのには何かの理由があるでしょう。多分、「七草がゆ」が中高になるからだよね。当然ながらアクセント核は「が」。ただし凡ミスでは済まされないかな。三省堂新明解日本語アクセント辞典の巻末には、単純語「くさ草、尾高」・癒合語「ななくさ七草、中高」、接合語「ななくさがゆ七草粥、中高」が紹介されている。
君:生まれてこのかた、頭高「かゆ」で覚えていらっしゃったのかしら。
私:いや、逆に、そうではない御家庭のお生まれで、社会人・NHKアナウンサーになって初仕事かも。
君:当然ながらNHK日本語発音アクセント新辞典にも平板アクセントで明記してあるのよね。 ほほほ

ページ先頭に戻る